●ショットブラストによる塗装剥離

ショットブラストは銅や鉄の粒をハンガーに噴射して表面の塗料を剥離する方法です。熱処理に比べて短時間で塗装を剥離できることが特徴です。但し、コテコテに塗料の付着したハンガーを剥離することは難しいです。

※処理に向いているハンガー：電着塗装用のハンガー、熱に弱い素材のハンガーなど

●塗装剥離の必要性について

塗装ラインで製品に塗装する場合には、ハンガーに吊るして塗装を行うのが一般的です。よって、そのハンガーにも塗料が付着してどんどん太くなってしまいます。ハンガーが太くなると静電塗装の効果が薄くなったり静電反発を起こして不良率を高めてしまいます。また吊り穴にハンガーを通しにくくなり、作業効率も低下します。そこで、熱処理やショットブラストなどを用いて塗装剥離をすることで、ハンガーを使いやすい状態に戻し、生産性をを維持する必要があります。ハンマーで叩いたり、リムーバーといった薬品で塗料を除去することも可能ですが、工場などで大量に使用されているハンガーや塗料の付きすぎた製品は、熱処理やショットブラストを用いたほうが簡単に塗料を剥離することができます。

ハンマーで剥離

メリット	簡単、どこでもできる、狙った部分のみ剥離できる。
デメリット	薄膜の剥離や大量の処理は難しい。ハンガーが壊れやすい。

薬品で剥離

メリット	簡単、どこでもできる。
デメリット	大きなハンガーは難しい。劇薬のため取扱や廃棄に注意が必要。

熱処理による剥離

メリット	ハンガーの状態はほぼ元どおりになる。大量の処理が可能。
デメリット	時間がかかる。設備費用がかかる。

ショットブラストによる剥離

メリット	短時間でキレイに剥離できる。
デメリット	厚く塗料の付いたハンガーは難しい。設備費用がかかる。